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院長コラム

Vol.173 続、認知症患者には自己決定権はないのか

 80歳代後半のAさんは物忘れが目立つようになり、精密検査を受けたところ、初期のアルツハイマー型認知症と診断されました。母親が認知症になり悲惨な最期を迎えたので、自分はそうなりたくないと、「認知症が進行して、何もわからなくなったら、延命処置をしないでほしい。肺炎になっても抗生物質を処方せずに死なせてほしい。」という生前の事前指示書(リビング・ウィル)を記し、家族も了承しました。2年後に認知症が進行し、家族の顔もわからなくなりましたが、施設で介護を受けながら自分で食事を摂り、読書をして穏やかに過ごしていました。ある日、高熱を出して病院を受診したところ、肺炎と診断されました。入院して抗菌薬の点滴を受ければ元の状態に戻る可能性は高いと思われます。さて、このときに事前指示書に従うべきでしょうか。

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平成25年